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休職中の転職活動を成功させよう!知っておくべきリスクや注意点を解説

休職中でも、キャリアアップや職場環境の改善を目指して、転職を考える人は多いです。しかし、休職中の転職活動には懸念事項があります。この記事では、休職中の転職活動に関する法令や規則、考えられるリスクと成功させるための具体的な流れを解説します。

記事を読めば、休職中の転職活動の注意点がわかり、安全かつ効果的に転職活動を進めることが可能です。休職中の転職活動は、適切に進めれば違法ではありません。ただし、就業規則や健康状態に十分注意する必要があります。

休職中の転職活動に関する法令や規則

休職中の転職活動に関する以下の内容を詳しく解説します。

  • 休職中の転職活動は違法ではない
  • 就業規則で転職活動が規制されている場合もある

休職中の転職活動は違法ではない

休職中の転職活動は法律で禁止されていません。労働基準法には、休職中の転職活動を制限する規定がないためです。憲法で保障された職業選択の自由にもとづき、休職中であっても転職活動の自由が認められています。ただし、会社との信頼関係を損なう可能性があり、倫理的な観点から配慮が必要な場合もあります。

休職中の転職活動で気をつけるべきポイントは以下の3点です。

  • 就業規則の確認
  • 休職目的との両立
  • 応募先への説明

現在の会社の就業規則を確認し、転職活動が休職の目的を妨げないようにします。応募先企業に休職中であることを言わなくても転職活動はできますが、面接中、内定後、転職後などのさまざまなタイミングでバレてしまう可能性があります。できるだけ正直に伝えて転職活動をされることをオススメします。休職中の転職活動は違法ではありませんが、状況に応じて適切な判断が求められます。自身の状況をよく考え、慎重に進めてください。

就業規則で転職活動が規制されている場合もある

一部の企業では、従業員の転職活動を制限する条項を就業規則に設けており、在職中の転職活動を禁止しています。休職中であっても従業員の身分は継続しているため、規制の対象です。就業規則に違反すると、懲戒処分を受ける場合もあるので注意してください。具体的には、以下のような規制が設けられています。

  • 在職中の転職活動の全面禁止
  • 上司への事前報告義務
  • 勤務時間中の転職活動の禁止

転職活動を始める前に、自社の就業規則を確認しましょう。規制がある場合は会社に相談するか、退職後に活動を始めると、安全に転職活動を進められます。

休職中に転職活動をするリスク

休職中に転職活動をするリスクは主に以下の3点です。

  • 現職や応募先企業にバレる場合がある
  • 体調が悪化する場合がある
  • 内定が取り消される場合がある

現職や応募先企業にバレる場合がある

休職中の転職活動が、現職や応募先企業にバレる可能性があります。隠して進めたい人にとっては大きな問題です。休職中の転職活動がバレる主な理由は以下のとおりです。

  • SNSでの情報公開
  • 登録情報の漏えい
  • 職場の同僚や知人が転職先の社員
  • 面接で現職の社員との遭遇
  • 転職エージェントが現企業への誤連絡

さまざまなリスクを認識して適切な対策を取れば、バレる可能性を最小限に抑えられます。SNSでの情報公開を控えたり、信頼できる転職サイトやエージェントのみを利用したりするなどの方法がおすすめです。
» 【転職エージェントとは?】メリット・デメリット、利用する流れについて徹底ガイド!
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体調が悪化する場合がある

休職中の転職活動では、体調が悪化するリスクがあります。転職活動自体がストレスを伴うからです。具体的には、以下のような理由で体調が悪化する可能性があります。

  • ストレスや焦り
  • 面接での緊張や不安
  • 休養の不足

新たな環境へ適応する際のストレスも、体調を悪化させる要因です。休職中の転職活動では、体調管理を優先しましょう。無理をせず、体調と相談しながら活動を進めることをおすすめします。

内定が取り消される場合がある

休職中の転職活動では、内定が取り消される場合がある点に注意してください。内定取り消しの主な理由は以下のとおりです。

  • 雇用契約違反
  • 健康状態の未回復
  • 虚偽申告
  • 企業規定の違反
  • 書類の誤り

応募先企業の内部規定や方針に反すると判明した場合には、内定が取り消される場合があります。応募時に提出した書類や情報に、重大な誤りや虚偽があった場合にも、内定取り消しの可能性があります。入社予定日までに必要な資格や条件を満たせなかった場合や、企業の経営状況や採用計画が急激に変化した場合も該当します。

内定取り消しのリスクを避けるには、正直に情報を開示し、健康状態の回復を確認してから転職活動をする必要があります。応募先企業の規定や方針をよく確認し、必要な資格や条件を確実に満たすことが大切です。

休職中の転職活動を成功させるためのポイント

休職中の転職活動を成功させるには、以下の重要なポイントがあります。

  • 休職理由を説明できるようにする
  • 活躍できることをアピールする
  • 健康状態が回復していることを伝える

ポイントを押さえることで、より良い結果を得られる可能性が高まります。自信を持ってアピールし、新たなキャリアへの一歩を踏み出しましょう。

休職理由を説明できるようにする

休職中の転職活動では、休職理由を明確に説明できることが成功のポイントです。採用担当者の信頼を得られ、転職活動を円滑に進められます。休職理由を明確に伝えることができれば、採用担当者に対して誠実な印象を与えられる場合もあります。ただし、伝え方に工夫が必要な場合もありますので、転職エージェントなどを利用していれば、どのように伝えればマイナスな印象にならないか相談をしてみることをオススメします。実際、私も面接の際に、履歴書や職務経歴書でキャリアに空白があったり、違和感があると、深堀してその理由を伺うことがあります。その中で休職されていたり、私傷病があったことがわかることがあります。タイミングなど難しいとは思いますが、応募企業に聞かれる前に自分から上手に伝えることができれば、転職先の企業が状況を正確に把握でき、好印象を与えられる可能性もあります。
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健康上の問題で休職していた場合には、以下のように説明するのがおすすめです。

休職理由の具体的な例
前職では過労により健康を害してしまい、医師の指示で一定期間休職することになりました。休職中はしっかりと治療と休養を取り、現在は完全に回復しています。休職期間中に生活習慣を見直し、健康管理の重要性を再認識しました。今後はよりバランスの取れた働き方を心がけます。
現在は再び全力で働く準備が整っており、新たな環境でスキルと経験を活かして貢献できるのが楽しみです。

休職理由を具体的かつ誠実に説明することで、採用担当者の信頼を得られるよう、工夫しましょう。休職期間中に得た教訓や成長を強調し、前向きな姿勢をアピールできるとよいと思います。

活躍できることをアピールする

休職期間があっても、強みや能力を効果的に伝えれば、採用担当者に良い印象を与えられます。自分が活躍できることを上手にアピールすることが肝要です。具体的なアピール方法は以下のとおりです。

  • スキルや経験
  • 過去の実績
  • 新しいスキル
  • 自己啓発や資格取得

休職経験を通じて得た学びや成長を伝えることも効果的です。ストレス管理能力の向上や時間管理スキルの改善など、休職中に身に付けた新たな強みを具体的に説明しましょう。自身の強みと求人要件のマッチングを示せれば、採用担当者に適任であるとよりアピールできます

休職中の活動(ボランティアなど)があれば、積極的に紹介してください。職場復帰後の目標や貢献したい点を明確に述べると、意欲的な姿勢をアピールできます。健康管理の取り組みや現在の体調の良さを伝えることも、採用担当者の不安を取り除くために重要です。

健康状態が回復していることを伝える

健康状態が回復していることを伝えると、休職中の転職活動をスムーズに進められます。面接官に安心してもらうためには、具体的な説明が必要です。休職の原因となった病気やけがから完全に回復したことを伝えるためには、以下の内容を明確にしましょう。

  • 定期的な通院の要否
  • 検査の結果
  • 現在の健康状態
  • 主治医からの診断書や就労可能証明書

客観的な証拠を示すと、健康状態の回復を裏付けられます。再発防止や健康管理のための取り組みを伝えれば、自己管理能力が向上したことをアピールできます。休職経験を前向きに捉え、強みとして活かせることを強調しましょう。

休職中の転職活動の流れ

休職中の転職活動の流れは以下のとおりです。

  1. 体調管理を最優先にする
  2. 休職理由を考慮して目標を明確にする
  3. 転職サイトやエージェントを活用して求人を探す
  4. 休職中であることを明記して求人に応募する(ここはケースにもよる)
  5. 面接で休職理由を説明できるよう準備する
  6. 内定後は休職中であることを考慮して入社日を調整する

順番にステップを踏むと、効果的に転職活動を進められます。

体調管理を最優先にする

体調管理を最優先にすることは、休職中の転職活動を成功させるために重要であることは言うまでもありません。十分な休養を取り、体調の回復に集中しましょう。具体的には、以下の点に注意して体調管理をしてください。

  • 睡眠、食事、運動のバランス
  • ストレス管理
  • 定期的な医師の診断
  • 体調の変化の記録

無理のないペースで転職活動を進めることも重要です。体調に合わせて活動時間や頻度を調整し、必要に応じて中断する勇気を持ちましょう。家族や友人のサポートがあると、体調管理と精神的な安定につながります。リラックス法や瞑想などのストレス解消法を実践するのも効果的です。

休職理由を考慮して目標を明確にする

休職理由を考慮して目標を明確にすることは、転職活動を成功させるために重要です。休職理由を振り返り、経験から学んだことや気づいたことを整理します。今後のキャリアで何を大切にしたいのか、どのような環境で働きたいのかを明確にしましょう。具体的には、以下の点を考えてください。

  • 強みや適性
  • 希望する業界や職種
  • 働き方や勤務条件の優先順位
  • キャリアプラン
  • スキルアップの必要性

目標として、「ストレスの少ない環境で働きたい」「スキルを活かせる仕事がしたい」「ワークライフバランスを重視したい」などが考えられます。休職経験を生かせる仕事を探すのも選択肢の1つです。自分に合った目標を設定すれば、より充実した転職活動ができます。

転職サイトやエージェントを活用して求人を探す

転職サイトや転職エージェントを活用して求人を探すと、効率的に転職活動を進められます。転職サイトでは、希望する職種や勤務地などの条件を設定して検索できます。メールで求人情報を受け取れるので、常に新しい情報を得ることが可能です。転職エージェントは、経歴や希望を聞いた上で、適した求人を紹介してくれます。

転職エージェントを利用すると、以下のサポートも受けられます。

  • 履歴書や職務経歴書の添削
  • 面接対策
  • 企業情報の提供

業界や職種に特化した転職サイトの活用もおすすめです。オンラインの転職フェアや企業説明会に参加するのも効果的です。多くの企業の情報を一度に得られるので、視野を広げるのに役立ちます。
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休職中であることを明記して求人に応募する

休職中であることを明記して求人に応募すると、誠実さや正直さを示せます。ただ、理由によっては書類選考で不合格になる恐れもあります。書面でうまく理由などを伝えられそうであれば履歴書や職務経歴書に休職中であると記載しましょう。書面ではうまく伝わらないと感じた場合は、書面では触れず、面接の際に説明するよう心がけましょう。以下のポイントを押さえることが大切です。

  • 自己PR文での説明
  • 自己研さんのアピール
  • 就業可能性の強調

入社の可能時期について柔軟に対応できることを伝えるのもおすすめです。休職中の応募に対する企業の反応はさまざまなため、冷静に受け止め、必要に応じて詳細な説明の機会を求めましょう

面接で休職理由を説明できるよう準備する

面接で休職理由を説明するための準備は欠かせません。面接で必ず聞かれるため、休職理由を簡潔かつ明確に説明できるように事前に整理します。具体的には、以下の準備をしてください。

  • 休職理由の要点をまとめる
  • 休職中の学びや成長を整理する
  • 現在の健康状態と復帰への意欲を伝える準備をする
  • 休職経験を今後のキャリアにどう活かせるか考える

面接でよく聞かれる質問と回答を事前にシミュレーションしておくことも重要です。休職中の自己啓発や資格取得など、前向きな活動をアピールできるようにしましょう。休職期間中の空白を説明できるよう、時系列で整理するのがおすすめです。

内定後は休職中であることを考慮して入社日を調整する

内定後は休職中であることを考慮して、入社日を調整します。スムーズな職場復帰と新しい環境への適応が期待できるように伝えてください。具体的には、以下の方法で入社日を調整します。

  • 現在の休職状況や回復の見込みを伝える
  • 入社が可能な時期について相談する
  • 段階的な復帰プランを提案する

必要に応じて診断書や復職可能証明書の提出を検討することも有効です。現在の健康状態を客観的に示せるので、企業側の理解を得られやすくなります。入社後のサポート体制についても確認しましょう。短時間勤務からのスタートや、試用期間の延長などの可能性を探ると、安心して新しい職場になじめます。

入社日を遅らせれば、十分な休養や準備期間を確保できるメリットがあります。休職中の収入状況や保険の切り替えなどを考慮して調整してください。入社日の調整について書面で合意を取り付けると、双方の認識のずれを防ぎ、トラブルを回避できます。

休職中に転職活動をする際の注意点

休職中の転職活動には、以下の注意点があります。

  • 現職の就業規則に違反しないことを確認する
  • 応募先企業に休職中であることを伝える

現職の就業規則に違反しないことを確認する

現職の就業規則に違反しないことを確認しましょう。就業規則で副業や転職活動に関する制限を把握し、休職中の活動制限や禁止事項がないかを把握します。多くの企業では、休職中の就業規則が定められているので、従う必要があります。

機密情報や知的財産に関する規定を遵守することが大切です。競業避止義務がある場合は、対象となる業界や企業を避けるのが賢明です。就業規則で定められた範囲内で活動すれば、トラブルを回避できます。具体的な注意点として、以下の点に気をつけてください。

  • 就業時間外や休日の活動
  • 会社の資産の使用
  • SNSでの情報発信

必要に応じて上司や人事部門に相談し、承諾を得ることも検討しましょう。休職理由と矛盾しない範囲で活動すると、スムーズな転職活動が可能です。退職手続きや引き継ぎに支障をきたさないよう配慮する必要があります。

応募先企業に休職中であることを伝える

応募先企業に休職中であることを上手に伝えることができれば、信頼関係を築けます。休職中であることを伝える際は、以下の点に注意してください。

  • 休職理由
  • 現在の健康状態
  • 復職への意欲
  • 自己啓発や学習

「体調不良で休職していましたが、現在は回復し、新たな環境で働く準備ができています」と伝えるのがおすすめです。「休職中に○○の資格を取得し、スキルアップに努めました」と言えば、成長意欲をアピールできます。「休職経験でワークライフバランスの重要性を学びました」と前向きな姿勢をアピールしましょう。

まとめ

休職中の転職活動は、慎重に進める必要があります。法令上は違法ではありませんが、就業規則や健康状態への配慮が大切です。休職中に転職活動をする際は、以下の点に注意してください。

  • 体調管理
  • 休職理由の説明
  • 活躍できることのアピール
  • 休職中であることの伝達

現職の就業規則に違反しないよう注意し、健康状態の回復を示すことも忘れてはいけません。転職サイトやエージェントを活用して求人を探すのも良い方法です。内定後は休職中であることを考慮し、入社日を柔軟に調整できるよう、応募先企業と相談しましょう。
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